電気設備設計が出来る様になるには

前回、電気設備設計の会社に就職したら、電気設備設計が出来る様になるのか。
と書いて終わりにしたですが、

端的に答えると
『弊社に就職したら、5年位で独りで簡単な30~50世帯位の小さなマンションンであれば設計出来る様になりますよ。』
但し、必要な能力はあります。

と言う事で、今回は電気設備設計に必要な能力について書きます。

電気設備設計に必要なのは
・電気的な基礎知識
・コミュニケーション能力
・やる気と根気
恐らくこの位です。

順に追って説明します。

1.電気的な基礎知識
電気を全く分からない方は無理です。
会社で一から電位とは?、直流とは?、交流とは?と教えている時間がありません。
電気系の学科を卒業していなくても、電気工事士の免許を取得されている方であれば問題ない程度の知識なのですが・・・
恐らくこの業界で人手不足になる一番の要因かもしれません。

2.コミュニケーション能力
設計に何が関係あるのだろうか?
と思われるかも知れません。
建物を設計する場合、機械設備や意匠設計との打ち合わせはもちろんの事、場合によっては電気が全く分からない相手との打ち合わせもあります。
電気的に出来ない事も多々要求されます。
その時に、出来る事、出来ない事、解決方法、代替案の提案等、多くの打ち合わせが必要になります。
この様に書くと、日本人以外は出来ないのか?と言われるかもしれませんが、その様な事はありません。
ただ、日本語能力が著しく低い場合はどれだけ電気的知識を持ち合わせていても難しいと思います。
逆に日本語能力があれば、多少電気の知識に自信が無くても、外国の方でも十分出来ます。
(あとは『郷に入れば郷に従え』これが出来れば十分です。)

3.やる気と根気
実は、これが一番重要です。
電気設備設計は新人が入社して直ぐに出来るものではありません。
まず、CADを覚えるのに1~2年は最低でも必要です。
(稀にCADが楽しそうだからと就職希望をされる方いますが、CADがメインの仕事ではありません。CADは仕事の道具です。)
CADを覚える事と並行して電気設計を覚えてもらうことになりますが、全てを独りで設計出来るまでには5年は掛かると思います。
(この間に受験料は会社負担で電気工事士2種は普通に取れると思います。やる気次第ですが・・・)
小さい作業をコツコツと積み上げる感じです。
思いのほか電気設備は地味です。まぁ地味です。
(コツコツと積み上げても機械や意匠関係の方で電気図面を理解できない方も多々いらっしゃるので、同じ業界でも理解されず『イラッ』っとする事がたまにあったり・・・)
ですので、やる気と根気が重要なのです。
やる気と根気と書くと辛いイメージですが『好きこそ物の上手なれ』と書いてしまえば、それだけの事です。

地味で理解されにくい電気設備設計の世界ですが、サブコンやゼネコンまたは設計会社の電気設備が分かる方から
『正確で綺麗な図面だね』、『現場がスムースに進んだ』と言われたり
施主から
『良い図面だね』
と言われると、うれしいですよ。
そして、そう言われた図面で出来上った建物が長く残るので、そこがやりがいになるかも知れません。

 

最後に
最近、就職しても直ぐに自分に合わないと会社を辞めてしまう方が多いと聞きます。
入社1~2年で就職した会社の仕事を理解しているのでしょうか?
我々の仕事は漠然と理解するだけでも2~3年は掛かかり、最初の1~2年は仕事も分からず一番ツマラナイ時期で、そこさえ超えればまた違った世界が見えるのに・・・と、思ってしまいます。

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